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Oracle Cloud Infrastructure(OCI)コンピュートの新機能(バーストインスタンスとプリエンプティブルインスタンス)について

今回は4月13日にリリースされたコンピュートを安価に使用するための下記新機能をご紹介したいと思います。

バースト可能インスタンス

まずバースト可能インスタンスの特徴を簡単に挙げると以下があります。

  • 使用するOCPUのベースライン(12.5% or 50%)を設定し、通常時はベースラインのOCPUを使用する。
  • ベースラインを超える負荷が掛かった場合、一時的にベースラインを超えたOCPUが使用可能となる。
    • バースト可能となる条件として、過去24時間の平均CPU使用率がベースラインを下回っていることや、ホストされているサーバーのリソース状況によるため必ずバーストするという保証はありませんのでご注意ください。
  • コストはベースラインのOCPU料金となるので、通常のインスタンスと比べて安い。
    • 例えばベースラインを50%で構築した場合、通常のOCPU価格の半額となります。

より詳細な情報や制限などはマニュアルよりご確認ください。

構築方法

コンピュートインスタンス構築時のシェイプ選択で唯一のサポート対象であるVM.Standard.E3.Flexを選択します。
そうするとOCPU選択画面にバースト可能というチェックボックスがあるので、チェックをいれベースライン(12.5% or 50%)を選択します。

あとは通常のコンピュートインスタンスと同様の手順で構築できます。

実際にベースラインを12.5%で構築して、CPUに負荷をかけてバースト状態を確認しようとしたのですが、コンソールのメトリック上では常に100%で表示されていました。
AWSでいうクレジットもないので、どの程度バースト出来るかの確認は現状難しいと思います。

インスタンス上でvmstatを使用してCPUの負荷状況を併せて確認していたところ、stealの値が高くなっており、実際にはインスタンスへのCPU割り当てが制限されているようでした。

プリエンプティブルインスタンス

プリエンプティブルインスタンスは短期間の利用を目的としたインスタンスです。
通常のインスタンスと同様に利用できますが、ホストしているサーバー内の容量が他で必要となった場合などに削除されてしまうようです。
AWSでいうところのスポットインスタンスのようなもののようです。
なお削除される30秒前にinstancepreemptionactionイベントが発行されるようなので、必要であればイベント通知設定をしておくとよいと思います。

突然削除されてしまうリスクの代わりに、コストが50%程安くなっているようです。
残念ながら上記のバースト可能インスタンスはサポートされていないようなので、併せて使うことは出来ません。

より詳細な情報や制限などはマニュアルよりご確認ください。

構築方法

コンピュートインスタンス構築時の配置選択で容量タイプをプリエンプティブル容量にチェックを入れて構築します。

あとは通常のインスタンス構築と変わりません。
ただし、現状で本機能が使用できるシェイプは下記の2つとなっています。

  • VM.Standard.E3.Flex series (Standard – E3 series)
  • VM.Standard2 series (Virtual Machine Standard – X7 series)

まとめ

上記2つの機能はどちらも使いどころを選ぶ機能で、開発サーバーや低負荷なサーバー向けのものになると思います。
開発サーバーなどを安価に使用したい場合にご検討ください。



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