HeatWavejp Meetup #17
MySQL 8.0 EOL直前 – バージョンアップ&マイグレーション
2026年2月12日 (木) に MySQL HeatWave ユーザーコミュニティ第17回イベント 「MySQL 8.0 EOL直前 – バージョンアップ&マイグレーション」を開催しました!
HeatWavejp は、MySQL HeatWave の良さを多くの人に知ってもらうことを目指し、参加者同士でノウハウやナレッジを共有できるユーザーコミュニティです。
本イベントは、参加者同士のつながりを深めることや、ユーザー同士の情報交換の場を目指し開催しています。
オープニング&HeatWave 概要

登壇者:内藤 達也 氏(株式会社パソナデータ&デザイン)
前回同様にイベントは、HeatWavejp運営の内藤さんによるオープニングトークからスタート!
まず最初に「運営からのお知らせ」として、2026年1月5日に、「株式会社スマートスタイル」から「株式会社パソナデータ&デザイン」に社名が変更された旨が伝えられました。
続いて、初めての参加者に向けて、MySQL HeatWaveの全体像や機能について紹介されました。
近年では、単なるデータベースの枠を超え、既存のMySQL資産を最大限に活かしながら、最新のAI・分析基盤へとシームレスに拡張できる点が、本サービスの最大の魅力といえます。
MySQL HeatWaveはOCIだけでなく、「on AWS」(東京リージョン含む)としても提供されており、AWSを利用中の方も自身のテナントから低遅延・高セキュリティな環境で利用可能です。また、Azureとのインターコネクトによる接続など、マルチクラウド環境での柔軟な運用ができることも強調されました。
MySQL HeatWave 最新アップデート情報

登壇者:成田 優隆 氏(株式会社パソナデータ&デザイン)
MySQLバージョンアップ先検討のための8.4/9.x新機能振り返り

登壇者:梶山 隆輔 氏(日本オラクル株式会社)
日本オラクル株式会社の梶山さんからは、MySQLの最新ロードマップと、バージョン8.4 LTSおよび9.xにおける主要な変更点、そしてバージョンアップの際に注意すべきポイントについて、ボリュームたっぷりな内容を解説頂きました。
現時点のロードマップとして、2026年4月の予定として以下が予定されており、
- 7.0 LTS:9系初のLTSが登場予定
- 4.9 LTS:継続的なアップデート
- 0.46:8.0系における新規パッチ提供の終了(EOL)
2026年7月には、次世代メジャーバージョンの登場が予定されているとのことです。
また、大きなニュースとして、MySQL HeatWave 8.0のサポート期間が1年延長されることが発表されました。
当初2026年4月末に強制アップグレードが予定されていましたが、多くのユーザーの状況を鑑み、猶予期間が設けられました。
ただし、いずれにせよ8.0.46が最終パッチになるため、早めの移行準備が推奨されます。
他にも、8.0から8.4 LTS以降へ移行する際、特に注意すべき実務的なポイントとして以下のような内容等について解説頂きました。
- ネイティブ認証プラグイン(mysql_native_password)の削除
- デフォルト設定値の変更
- 予約語とキーワードの追加
バージョンアップ作業する際には、必ず役立つ内容が盛りだくさんで、これを聞くだけでも、参加した意義があるセッション内容でした。
MySQL HeatWave Migration Assistant 実践検証
~ツールの機能検証と私がハマった落とし穴5選~

続いてのセッションとなった神田さんからは、最新アップデート情報でも紹介のあった、オンプレミスのMySQL環境をOCI上のMySQL HeatWaveへ移行するための強力な支援ツール「MySQL HeatWave Migration Assistant」の活用方法と、実際の検証で直面した注意点についてご発表いただきました。
出足から笑いを誘い、言葉巧みに手順を説明頂き、このツールを使うことで、本当に簡単に移行ができそうだなと感じました。
最後に、実際に検証を行う中で遭遇した、特に注意すべき5つのポイントが紹介されました。
- 起動アイコンの混同:MySQL Workbench内にある「Migration Wizard」(他種DBからの移行用)と、今回の「Migration Assistant」は別物であるため、注意が必要です。
- OCI CLIの設定でAPI Keyにパスフレーズを設定しない:OCI CLIの設定でAPI Keyにパスフレーズを設定していると、ツールが対応しておらず起動時に画面が白濁するバグがあります。現状はパスフレーズなしでの設定が回避策となります。
- TLSバージョンの壁:ソースDBが古すぎるとTLS 1.2をサポートしておらず、MySQL Shellの接続エラーが発生します。MySQL 5.6/5.7でも特定のパッチバージョン以上であることが必須です。
- 移行先MDSバージョンの自動決定:移行先のバージョンはソースDBのメジャーバージョンに基づき自動で選ばれるため、任意に指定できません。
- Always Freeの制限:OCIのAlways Free枠で試そうとすると、常に最新バージョン(現在はx系)が要求されるため、ソースDBとのバージョン差異によりエラーになるケースがあります。
まとめとして、本ツールは「ボタン一つで移行作業が楽になる非常に便利なツール」と評価し、問題が発生した際は、ツール上のメッセージだけでなく「MySQL Shellのログ(mysqlsh.log)を確認することが解決の近道」と教訓を共有されました。
MySQL HeatWave 8.0がEOL!
8.4アップグレードの準備をした話
登壇者:小串 遥香 氏(株式会社データベーステクノロジ)
株式会社データベーステクノロジの小串さんからは、MySQL HeatWave 8.0のEOLに伴う、次期長期サポートバージョン(LTS)である8.4への移行準備プロセスについて、具体的な検証事例を交えてご発表いただきました。
これまでは、OCIの定期メンテナンスに合わせてマイナーバージョンアップが自動で行われる運用でしたが、今回はメジャーバージョンアップに相当するため、慎重な事前調査とスケジュール策定が行われました。
特に注力して検証されたのは以下の2点とのことでした。
- ネイティブパスワード認証プラグインのデフォルト無効化:対象の全システムで既に caching_sha2_password が適用されていることを確認し、問題なしと判断。
- 0向けミドルウェアでの接続維持:既存のミドルウェアのままでも問題なく接続可能であることを確認。ミドルウェア更新に伴うアプリの再起動や停止時間を最小限に抑えるため、今回は現状維持のまま移行する方針を決定。
今回の環境では個別のプログラム修正は不要という結論に至りましたが、早い段階でバージョンアップの調査・検証を実施しておくことで、安定したシステム移行への道筋を立てることができた好事例といえます。
まとめ
今回のイベントでは、MySQL HeatWaveの最新動向にとどまらず、すべてのMySQLユーザーが直面する「バージョンアップと次世代への移行」という普遍的なテーマにも切り込んだ内容であったことが印象的です。
特に日本オラクル株式会社の梶山さんと、株式会社データベーステクノロジの小串さんが解説された内容は、HeatWave特有の機能以上に、MySQL 8.4 LTS以降の標準仕様への対応という、DBエンジニアにとって避けては通れない技術的課題が主軸となっており、多くのMySQLユーザーが知りたい情報であったかと思います。
また、MySQL HeatWaveとしても移行ツールとなる「MySQL HeatWave Migration Assistant」やブラウザ上で、データベースの操作や管理が完結できるGUIツール「MySQL Studio」が使用できるようになり、前回イベント時から2カ月少しでも、大きな進化を遂げており、次回のイベントでは、どんな発表があるのか楽しみです!



資料を見る
