HeatWavejp Meetup #11
年忘れ HeatWave 事例祭り&オフライン忘年会もあるよ!in 大阪
会場の様子
2024年12月18日(水)にMySQL HeatWave Meetup#11が開催されました。 2024年最後を飾る第11回目のユーザーコミュニティイベントです。
HeatWavejpは、MySQL HeatWave の良さを知っていただき、参加者同士でノウハウやナレッジを共有できるユーザーコミュニティです。
今回のイベントレポートは、スマートスタイル技術部の高橋宣幸が担当します。
オープニング&HeatWave 概要
登壇者:内藤 達也(スマートスタイル)
これまで東京会場での開催のみでしたが、HeatWavejpとして初めての大阪開催です。
今回流れたオープニング映像はYoutubeでも公開されていますので、以下リンクよりぜひご覧ください。
HeatWavejp – MySQL HeatWave Japan User Group
今回のテーマは「年忘れ HeatWave 事例祭り & オフライン忘年会もあるよ!in大阪」ということで、さまざまなHeatWaveの事例を聴くことができると期待が高まりました。
まずはHeatWavejp運営の内藤さんからの挨拶です。
今回はクリスマスプレゼントとして、参加者には日本オラクル様よりMySQL関連のノベルティ、スマートスタイルからカラフルな金太郎飴が送られ、会場は盛り上がっていました。
続いて、オラクルのブログでHeatWavejpの記事が掲載されている共有があり、反響が広がっていることが実感できました。
①The Oracle MySQL Blog
October MySQL Meetups – Recap.
②ODBMS.orgインタビュー記事
HeatWave Japan User Group. Q&A with Masataka Narita and Tatsuya Naito
そして、初めて参加される方向けにHeatWaveの概要説明をしていただきました。
今年からサポートされた機械学習(AutoML、生成AI)の概要含め、様々な機能が搭載されている中で、高パフォーマンス・低コストを実現している旨をわかりやすく説明していただきました。
HeatWave 最新アップデート情報
登壇者:長井 明日美 氏 (HeatWavejp)
スマートスタルの長井さんより、2024/10/01~2024/11/30の最新アップデート情報について発表がありました。具体的には以下の内容となります。
【MySQL HeatWave】
・MySQL version 9.1.0、 8.4.3 、および 8.0.40をサポート
各バージョン において不具合の修正が行われる
バージョン 9.1.0 では、 Lakehouse を有効にして HeatWaveクラスター の柔軟なサイズ変更が可能となる
・MySQL version 9.1.1 をサポート
AutoML の Orbit予測モデル のサポートが行われる
クエリ結果を Lakehouse の オブジェクトストアにエクスポート可能となる
【HeatWave on AWSリリースノート】
・コンソールナビゲーションの強化
・MySQL version 9.1.0、 8.4.3 をサポート
各バージョン において不具合の修正が行われる
・MySQL version 9.1.1 をサポート
AutoML の Orbit予測モデル のサポートが行われる
クエリ結果を Lakehouse の オブジェクトストアにエクスポート可能となる
・レイクハウスデータの更新
HeatWave コンソール を使用してLakehouse 増分ロード可能となる
AutoML、Lakehouseの機能拡張が進んでおり、利便性が日々向上していると感じました。
HeatWave 事例紹介
登壇者:山崎 由章 氏(日本オラクル MySQL GBU)
日本オラクルの山崎さんより、今回のテーマである事例祭りに相応しい多くのお客様導入事例を紹介していただきました。概要は以下の通りです。
事例1:旭松食品様
従来のExcel等を用いた需給調整業務でOCIを採用してシステム化。
HeatWave MySQLにて、販売実績データや生産管理データを受給データとして一元管理し、複数担当者にてデータの共有・分析を実現。
「ベテランの勘」に頼らざるを得なかった部分をシステム化することで効率化を高めつつ、HeatWaveを利用することによって低コストで実現する。
事例2:パソナテック様
データベース基盤をAmazon RDSからHeatWave MySQLへ移行。
その結果、マネージド・データベースとしての容易性を保ちつつ、将来的な安心感と安定感を手に入れることに成功する。
事例3:ファンコミュニケーションズ様
AWSからOCIに移行し、既存環境と比較したところ約50%ものコスト削減に成功。
OCIのフレキシブル・シェイプの効果により、CPUコア数やメモリサイズが適切な値になったことも要因の1つ。
事例4:アプルーシッド様
Google Cloud上で動いており、アウトバウンドのデータ転送にてコストが高く問題を抱えていた。
OCIへ移行することにより、毎月10TBまでデータ転送量が無料という利点を生かすことでコスト削減につながった
事例5:中空知衛生施設組合様
システムに掛けられる予算が少ない状況の中、低コストで利用できるHeatWave MySQLがマッチし、24時間365日稼働するシステム化の実現につながった。
事例6:エスペラントシステム様
電子書籍サービスを提供しており、ユーザのアクセス数などの状況に合わせられる伸縮自在なインフラ基盤が必要であったので、基盤にOracle Container Engine for Kubernetesを採用することで解決に至った。
事例7:ジニアス・ソノリティ様
ゲームのサービス基盤やデータ分析において、HeatWaveを導入。
ゲーム難易度の調整やイベントの参加率をリアルタイムで分析したいと考えていたがHeatWaveを利用することでデータ分析が最大90倍も高速化でき、さらにリアルタイムの分析を毎時間行えたので、驚きの一言でした。
事例8:NTTソルマーレ様
通常のMySQLで1.5時間かかっていたバッチ処理がHeatWaveを導入することにより2秒程度で完了するようになり、性能の良さを実感。
またHeatWave Lakehouseにより、オブジェクトストレージ上のデータを簡単かつ高速にロードができ、容易に分析に繋げられ便利である。
事例9:ファンコミュニケーションズ様
AWS AuroraからHeatWaveに移行したことで性能は10倍になり、コストも大幅削減した。しかしアプリケーションを変更する必要がなく好評であった。
事例10:Aiwifi様
Wi-Fiに接続している人の行動を分析するために、AutoMLの機能を使うことにした。このとき機械学習の経験がないエンジニアがたった1ヶ月で機械学習を活用した処理を実現できた。
事例11:日本の医薬品及び食品製造の大手企業の海外法人での導入事例
HeatWave AutoMLの「説明」という機能を利用し、製品の良不良の判断を行った。
機械学習を用いることによって、分類、回帰、時系列予想、異常検知、レコメンドなど行え、活用の幅が広いことを実感。
最後に2025年1月にHeatWaveウェビナーが開催されるという告知がありました、詳細は以下よりご確認ください。
「HeatWave概要」でも触れましたが、HeatWaveは高パフォーマンス・低コストでありながら、日々機能拡張が行われているため、様々なジャンルで活用できるケースが増えていると実感できました。
パナソニックグループの新たな高性能データ分析基盤とAI/機械学習環境のサービス化に向けた取り組み~HeatWave 実用性検証レポート~
パナソニックインフォメーションシステムズ社の倉重さんより、発表がありました。
OracleCloudサービス化の経緯として、2020年からRDSの検証~運用を行っていましたが、2022年よりOCIの検証に着手し、2023年からOCIサービスを開始。
さらにHeatWaveの独自機能(機械学種・生成AI)に着目し、効率的な高性能データ分析基盤と機械学習の実装を目指して、スマートスタイルと共同で検証を進めていくことを、2024年12月11日にプレリリースを行いました。
具体的な検証はAutoMLを利用して、ディスクの故障予測を行いました。
EMCCから取得したディスクのメトリックス情報をINPUTとして、HeatWaveに格納後に教師あり学習の回帰モデルを利用したということでした。
検証結果として、推測結果の値が0.0099と0よりは上であるが1よりは程遠い結果になりましたが、考察としては直近1年間の故障は1件だけであり、今後はディスク破損した情報をさらに収集して分析していきたいと考えているということでした。
続いてGenAIの検証として、RAGを用いた社内ドキュメントの活用ができるか検証を行いました。
事前準備としてオブジェクトストレージ上に社内ドキュメントをアップロードして、GenAIのVector Storeなど使い、どのような回答が返ってくるか確認を行いました。
結果として概ね期待した結果を返しているものの、関係ない内容も混ざっていました。ただしLLMのモデルや質問方法を変更することによって精度を高めるパターンがあったとのことでした。
最後に、オンプレのMySQLデータをHeatWaveに格納し、AutpPilotIndexing機能を利用して、セカンダリインデックスの提案ができるか検証を行いました。
スロークエリの中から遅いSQLを4ケース選択して、実際にインデックスを作成して性能測定した結果、3ケース改善が改善、1ケースが変更前と同等の性能になりました。
インデックスの提案をする場合、どこがボトルネックになっているかという原因を特定したうえで改善案を考えるので、時間がかかる作業になりますが自動的に提案をしてくれるのはとても魅力ですね。
MySQL HeatWave シン・エナジーによる環境にやさしいエネルギー創出へ
登壇者:加藤 マリア 氏(シン・エナジー)
シン・エナジー社の加藤さんより、HeatWaveを利用してどのようにお客様の電力使用量などを検索・分析しているかお話いただきました。
日本語は得意ではないということでしたが、流暢な日本語でHeatWaveの利用有無によってお客様の電力使用量を検索した場合、どの程度の性能差があったかをわかりやすく説明していただきました。
次に、活用事例をご紹介いただきました。
具体的にはお客様の2024年の電力使用量を分析した結果、節電につながるアドバイスを行うこと。
AutoMLを活用し、電気使用量の異常検知パターンを検証することで電気仕入量の調整に活かすという取り組みを行いましたが、15分という短い時間で簡単に検証ができたということでした。
さらにカラム数が多い、少ないケースでHeatWaveの処理速度の検証を行い、カラム数が少ない方が、高い処理性能が出ていることがわかりました。
HeatWaveを利用することで、節電にもつなげて環境にやさしい地球にしていきましょうというお話があり、和やかな雰囲気の中でお話を聞けました。
詳細については、以下hmatsu47(まつ)さんがZennで公開されている記事に詳細な記載がありますので、こちらもご参照ください。
懇親会・まとめ
今回のHeatWavejpも無事終了しました。
HeatWaveを活用した沢山の事例が具体的に紹介されましたが、いずれもコスト削減やパフォーマンスUPにつながっており、とても説得力のある内容でした。
終了後は懇親会が開催されました。
私は今回は現地での参加はできませんでしたが、今回紹介いただいた事例の詳細やHeatWaveに関する意見交換等で盛り上がったものと想像しています。
なお、次回のHeatWavejp Meetup#12は2025/2/26に開催予定です。
来年もHeatWaveの魅力をより多くの方々に知っていただけるよう、活動を継続してまいります。次回のMeetupでは、本記事をご覧の皆様にもご参加いただけることを心よりお待ちしております。
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