HeatWavejp Meetup #16
年忘れ MySQL HeatWave 事例祭り & オフライン忘年会もあるよ!
2025年12月9日 (火) に MySQL HeatWave ユーザーコミュニティ第16回イベント 「年忘れ MySQL HeatWave 事例祭り & オフライン忘年会もあるよ!」を開催しました!
HeatWavejp は、MySQL HeatWave の良さを多くの人に知ってもらうことを目指し、参加者同士でノウハウやナレッジを共有できるユーザーコミュニティです。
本イベントは、参加者同士のつながりを深めることや、ユーザー同士の情報交換の場を目指し開催しています。
今回はスマートスタイルの岡野がイベントの様子をレポートいたします。
オープニング&HeatWave 概要

登壇者:内藤 達也 氏(株式会社スマートスタイル)
今回もイベントは、HeatWavejp運営の内藤さんによるオープニングトークからスタート!
冒頭で、「HeatWave」のサービス名称が今年8月に「MySQL HeatWave」へ戻ったことに触れつつ、
「来年は『MySQL AI HeatWave』になるかもしれません」と、前回に続いてユーモアを交えた名称予想も飛び出しました。
続いて、初めて参加される方向けに MySQL HeatWave の概要説明が行われました。この概要説明は毎回恒例となっており、HeatWavejp に初参加の方や、MySQL HeatWave をこれから学びたい方でも安心して参加できる内容となっています。
MySQL HeatWave 最新アップデート情報

登壇者:神田 智大 氏(株式会社スマートスタイル)
今回、MySQL HeatWave 最新アップデート情報を紹介してくださるのは、夜中に突然歯の痛みに襲われ一睡もできず、登壇当日の朝に歯医者で治療を受けてきたという神田さん。「自分自身もアップデートしつつ、MySQL HeatWave の最新アップデートを紹介します」とユーモアを交えて語り、会場の笑いを誘いながらスタート!
今回は、OCI のリリースノートから5つのアップデート情報が紹介されました。
- アップデート情報をざっと以下の通りです。
アップグレードポリシーの調整が可能に
– MySQL の 3 つのオプションが設定可能に
– アップグレードの実行契機
– 選択するバージョン
– 選択するバージョントラック - MySQL version 9.5.0、8.4.7、8.0.44 のサポート開始
- ヘルスモニターでディスク使用量予測が可能に
- サポートされるシェイプに MySQL.96 が追加
- MySQL version 9.5.1 のサポート開始
今回は HeatWave on AWS リリースノートからのアップデート情報はありませんでした。
HeatWave MySQL 採用による飛躍的な環境改善~脅威分析環境の移行事例のご紹介~

登壇者:庄司 勝哉 氏(株式会社ラック)
続いて登壇されたのは、サイバー攻撃に関するセキュリティ研究を行っている庄司さん。
自社の分析環境を AWS から OCI へ移行する際に採用した MySQL HeatWave の事例について紹介してくださいました!
旧環境では、以下の点が課題として挙げられていたそうです。
– 研究部門の予算に対してコストが高いこと
– 調査・分析時のパフォーマンスが十分に出ないこと
今回、約5か月での移行を行い、コストは約64%削減、パフォーマンスは数十倍に向上と、非常に大きな改善効果が得られたとのこと。
最後に、コスト・パフォーマンスの両面で十分な効果が得られたことに加え、運用面でも堅牢に実装できたこと、分析用途に応じて柔軟かつ容易に利用できること、といった点が高く評価され、今後は他のシステムでも MySQL HeatWave を積極的に活用していく予定であると語られました。
今後さらに改善してほしい点は、生成 AI 関連の機能をもう少しパワーアップしてほしいなど、今後の MySQL HeatWave のさらなる進化に、ますます期待が高まっています。
MySQL HeatWave でリージョン間レプリケーションに初挑戦!構築時の躓きポイントと解決策

続いて登壇されたのは、「一番好きなサービスは MySQL HeatWave」と語る元輝さん。
※ 決して脅されて言わされているわけではありません、とのことです (笑)。
今回は、メンタルヘルス関連企業における MySQL HeatWave の導入時のレプリケーション構築について紹介してくださいました!
レプリケーション環境の構築については、OCI 公式チュートリアルなどを参考にしながら進めたそうで、実際の構築手順として以下の流れが共有されました。
- MySQL HeatWave の作成
(ソース/レプリカ、ユーザー、権限設定) - ネットワーク設定
- 初期データの同期
- チャネルの作成
構築の過程では、NSG (ネットワーク・セキュリティ・グループ) のアタッチがエラーではじかれるといったトラブルが発生したとのこと。また、レプリケーションで問題が起きた際に原因調査や試行錯誤に時間がかかる場合は、レプリケーション構成自体を作り直す方が結果的に早いという、実践的な知見も共有されました。
さらに、MySQL HeatWave を利用する上での重要なポイントとして、以下の点が挙げられました。
- HA 構成の MySQL HeatWave では、直接レプリケーション構成ができない
→ まずはシングル構成でレプリケーションを設定し、その後に HA 化する必要がある - レプリケーション対象外となるスキーマが存在する
これから MySQL HeatWave でレプリケーション構成を検討している方にとって、非常に参考になる情報でした。
AWS 環境に閉じて、シンプルに始められる MySQL HeatWave on AWS

登壇者:神津 和之 氏(株式会社スクウェア・エニックス)
続いて登壇されたのは神津さん!
とあるシステムを従来型のクラウド環境から AWS へ移設する検討を進める中で、まずは Amazon Aurora を候補として検討していたものの、うまくいかなかった場合の逃げ道として HeatWave on AWS に注目したのがきっかけだったそうです。
対象となるシステムはやや古めの仕組みであったため、以下の課題がありました。
- Aurora向けに十分なクエリ最適化が行えない可能性
- 他の DB も検証したいが、互換性問題に工数を割きたくない
- JOIN を多用する複雑なクエリにも対応できる Managed DB を採用したいといった複数の課題がありました。
これらを総合的に判断した結果、HeatWave on AWS の採用に至ったとのことです。
MySQL HeatWave の構築自体は順調に進んだものの、元輝さんのセッションでも触れられていた通り、HA 構成についてはやはりうまく動かない点があったそうです。
また、データの取り込みにはやや苦戦したものの、負荷試験においては大きなエラーもなく無事に実施できたとのことで、安定性については一定の手応えが得られたようでした。
最後に、MySQL HeatWave で繋ぐのは大変そうだなと悩むくらいなら、まず一度試してみるのがおすすめというアドバイスで締めくくられました。
まとめ
イベントの最後は、MySQL 8.0 が2026年4月30日に EOL を迎えること、そして MySQL 本体だけでなく MySQL HeatWave も同様に EOL となり、自動的に 8.4 LTS へアップグレードされるという点が共有されました。
その後の忘年会では、じゃんけん大会が開催されるとのことで、景品には以下の豪華アイテムが用意されているそうです。
- 日本オラクル様提供:MySQL HeatWave ロゴ入りバッグ
- スマートスタイル提供:ANKER の充電ポート
私は大阪支社所属のため残念ながら忘年会には参加できませんでしたが、参加された方々からは、技術的なディスカッションはもちろん、懇親の場としても大いに盛り上がったと聞いています。



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