HeatWavejp Meetup #05~
年忘れ MySQL HeatWave 事例祭り & オフライン忘年会もあるよ!
会場の様子
去る12月05日、第5回 MySQL HeatWave Meetup#05が開催されました。2023年最後を飾るHeatWaveユーザーコミュニティのイベントです。
HeatWavejpは、MySQL HeatWave の良さを多くの人に知ってもらうことを目指し、参加者同士でノウハウやナレッジを共有できるユーザコミュニティです。
本イベントは、参加者同士のつながりを深めることや、ユーザ同士の情報交換の場を目指し開催しています。
オフライン・オンラインとも盛況で、会場に足を運んでくださった方も多く、MySQL HeatWaveの魅力を詰め込んだ濃厚な2時間半となりました。
それでは、コンテンツごとに振り返っていきます。
今回はスマートスタイル技術部の口野が、イベントの様子をレポートします。
オープニング & MySQL HeatWave 概要
内藤 達也 氏 (HeatWavejp)
「まだよく知らないけどMySQL HeatWave が気になる!」という気持ちで参加いただいた方のために、MySQL HeatWaveの概要を説明してくださいました。
サービスや機能拡張の説明、HeatWaveを使わないMySQLマネージドサービス(MySQL Database Service(MDS))との呼び分けの提案についてお話しいただきました。
★山﨑氏がMeetup#02でも呼び方について提案を発表しています。
Meetup#02イベントレポート:MySQL HeatWave の名称を区別しませんか?
軽快なテンポで、かみ砕いた説明は初心者にもわかりやすく「使ってみたいな」という気持ちが一層大きくなる発表でした。
MySQL HeatWave 最新アップデート情報
高島 修 氏(スマートスタイル)
高島氏はオンライン登壇で、OCIリリースノートから2023年12月以降の最新アップデート情報の発表をしました。
最新アップデート情報は、適切な構築運用や課題解決において必要不可欠ですが、自分で追っていくとなると結構大変。
ポイントを押さえたわかりやすい解説により、アップデート情報を把握できるのは、本イベントの魅力のひとつであると感じました。
MySQL HeatWave on AWSの新機能説明から始まり、MySQL 8.2.0/8.0.35のサポート、OCI Database Managementによるモニターの管理対象となったこと等、さまざまなリリース情報をピックアップしご紹介いただきました。
OCI Database Management のモニターの管理対象となったことで、MySQL HeatWave フリート・サマリー、MySQLデータベースの詳細、パフォーマンス・ハブをGUIベースで確認可能となったことは非常に興味深く、是非とも活用していきたいです。
旭松食品様の製造・販売戦略を支えるDBaaSとしてのMySQL(MDS)
今中 直樹 氏(データベーステクノロジ)
続いて今中氏、オンラインのご登壇です。
旭松食品様におけるMySQL HeatWave Database Service(MDS)活用について、2つの事例を紹介いただきました。
はじめに、Microsoft Dynamics 365を基幹システムとした販促費管理システムについて。
スペックは1OCPU/8GB/Strage:512でHeatWaveはオフ。
スモールスタートでの運用でありながら、瞬間的スパイク的なCPUの高負荷はあるものの基本的には十分な性能。
加えて、バグフィックスやセキュリティパッチのバージョンアップ自動適用、自動定期バックアップによりメンテナンスの負荷も低減。価格も申し分なしという、かなりの高評価でした。
続いて、こちらもMicrosoft Dynamics 365を基幹とした需給調整支援システムについて。
同じくスモールスタートでの運用で、対象アイテム数は多くないがデータ集計期間が長期となりやすい傾向にあることが特徴です。
販促費管理システムに比べると、集計期間が長い分スパイクの数はどうしても多くなるが、張り付きはなく十分な性能を発揮しているとのことでした。
最後に、MDSモニタリングに関するお話しでは、インスタンス全体で並べて確認するための工夫について話しました。
総合してMDSの評価は非常に高く、今後のアイテム数や対象期間の増加を見据えても有用そうな機能が多数あり、拡張性も期待できると絶賛していました。
Accelerate ML, OLTP, and OLAP applications with MySQL HeatWave Natively in AWS
Eric Aguilar 氏(Aiwifi)
続いてはなんとメキシコからの発表、AiwifiのCEO Eric Aguilar氏です。
Aiwifi社が提供するのは、Wifiを通じて顧客の動向を学習・分析し、KPIダッシュボードに活用することができる画期的なソリューションです。
システム構成としては、AWS EC2インスタンス(Linux)からRDSのAWS上MySQLインスタンスに接続していましたが、その後性能課題解決のためさらにRedisへ接続し、静的なすべてのクエリのキャッシュを試みました。
これにより、MySQLインスタンスへの負荷軽減に成功。パフォーマンスは向上したものの、次なる課題として、分析・活用のためにデータを即座に操作可能な機械学習アルゴリズムの必要性があがりました。
当初はRedshift、SingleStore、PlanetScaleなども検討しましたが、より費用対効果が高く効率的、さらには実装が容易なソリューションとして、MySQL HeatWave on AWSが採用されました。
利点はそれだけに留まらず、MySQL HeatWave AutoMLを利用することで、一度投入したデータを再度取り出し移動させる手間なく、リアルタイムで機械学習に活用することが可能となりました。
さらに驚くべきは学習コスト。開発者はなんと、1か月ほどでMySQL HeatWave AutoMLの使用方法を理解したといいます。
プラットフォーム内にサンプルアプリケーションを実装するだけで、機械学習の経験がないバックエンド開発者はその機能を理解したとEric氏は語ります。
最後に、MySQL HeatWave on AWSへ今後期待することとして、監視機能の充実、レプリケーションのサポート、オートスケーリングや機械学習機能の更なる充実について挙げられました。
今後はこのシステムを活用し、購買予測やWi-Fiネットワークの故障検出等にも挑戦するとのことで、本イベントの通訳環境等を整えられた暁には、是非オフラインにてその後のお話しを聞かせていただきたいと思いました。
世界的に見てもMySQL HeatWave on AWSの事例はとても貴重なものであり、今後の発展が楽しみになる内容です。
トヨタにおけるMySQL HeatWave Lakehouseを用いた大規模データロードと分析の評価
根山 亮 氏(トヨタ自動車)
締めを飾るのはトヨタ自動車根山氏。ORACLE Cloud World 2023で発表された事例の紹介となり、ラスベガスの熱気を体感した方も、そうでない方にとっても、MySQL HeatWave Lakehouseの魅力を改めて感じることのできた30分間だったのではないでしょうか。
従来の自動車会社からモビリティカンパニーへの移行に向けて、走行効率や安全性の向上等といった課題があり、課題解決のためには、膨大な量のデータを高速に活用することが求められます。
たとえば、バッテリーEVの走行可能距離予測。現在地とバッテリー残量からどこまで走行可能かを可視化し、ユーザーへ案内します。道路リンクごとの平均速度や道路こう配の計算時に、HeatWaveが活用できるとのことでした。
性能調査ではHeatWaveそのものの性能については満足、大量データをロードする箇所に期待が残る結果となりました。
あわせて、HeatWave LakehouseとMDSの性能比較では、約11TBのデータを用いた比較結果についてご共有いただきました。
11TBというと膨大すぎて想像がつきにくいかもしれませんが、これは、約1000万台の車両から集まってくる1日分のデータに相当するとのことです。
気になる結果については、HeatWave LakehouseはMDSに対して65倍処理が高速化したとのことです。従来4日かかっていた処理がなんと88分で終了したとのことで驚きです。
今後HeatWaveに期待することとして、HeatWave on AWSのLakehouse対応や、WHERE句の条件をもとに必要なデータのみを取得してくる機能などを挙げられました。
近未来的なサービスの縁の下の力持ちとしてHeatWaveが活用される未来を見ることができ、非常にわくわくする発表でした。
オフライン忘年会
忘年会では軽食に舌鼓を打ちながら、日々の仕事の話題や今後のHeatWaveの展望等ついて、活発に意見が交換されました。
まとめ
HeatWavejp Meetup#05もHeatWaveユーザにとって貴重な意見交換の場となりました。
MySQL HeatWaveの魅力がよりたくさんの方に伝わるよう、引き続き活動を続けてまいりますので、2024年もどうぞ、HeatWavejpをよろしくお願いいたします!
次回のMeetupでは、本記事をお読みの皆さまにもご参加いただけることを楽しみにしています。
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