Oracle Database Service for Microsoft Azure(ODSA)の始め方
Oracle Database Service for Microsoft Azure(以下 ODSAと省略)は、Oracle Cloud Infrastructure (以下OCIと省略)のOracle DatabaseサービスをOCI Azure Interconnect (世界中のリージョンにある2つのクラウド環境間で利用できる機能)を介してMicrosoft Azureのユーザーに直接提供するOCIのサービスです。
引用元: Oracle Database Service for Microsoft Azure 概要
今現在Azureを使っているユーザーがMySQL Heatwaveを利用する場合に、セットアップ作業が複雑なExpressRouteとFastConnectを利用したインターコネクト接続に比べて、費用が安く簡単な手順でセットアップできるメリットがあります。
2023年7月現在のODSAを利用してAzureから利用できるOCIのサービスは、Database関連のサービスになります。
- Autonomous Database
- Exadataデータベース
- Exadata VMクラスタ
- Exadata Infrastructure
- Exadataシステム
- ベース・データベース
- MySQL Heatwave
アカウントの準備
AzureとOCIの連携を行うのに強力な権限を持ったアカウントが必要になります。
Azure アカウント
自動オンボーディング・プロセスでは、OracleDB for AzureへのAzureユーザーのオンボーディングに下記のいずれか1つ以上の管理ロールが必要です。
- アプリケーション管理者
- クラウド・アプリケーション管理者
- 特権ロール管理者
- グローバル管理者
OCI アカウント
ODSAで連携するOCIのテナントは、連携作業の途中で新規に作成することもできます。
今回の手順では既存のテナントと連携させます。
連携させるテナントの管理権限を持ったOCI アカウントが必要になります。
注意事項: 既存のテナントとの連携を検討している方へ
ODSAと連携するためには、連携するOCIのテナントがアイデンティティ・ドメインに対応している必要があります。
比較的新しく作ったテナントではアイデンティティ・ドメインに対応した状態で初めから作成されますが、昔からOCIを利用している場合アイデンティティ・ドメインに対応していない可能性があります。
もしアイデンティティ・ドメインに対応していないテナントでODSAを利用することはできないので、アイデンティティ・ドメインに対応させるための作業が必要になります。
IAMの概要を参考に連携させるテナントをアイデンティティ・ドメインに対応させる作業を行ってください。
ODSA 連携手順
オンボーディング方法の選択
ODSAのサインアップサイトへアクセスします。
https://signup.multicloud.oracle.com/azure
Azureへのログインを求められるので、適切な権限を持ったAzureのアカウントでログインしてください。
Azureのアクセス権限の確認
ODSAで連携するためのアクセス許可が求められますので、許諾します。
Azure サブスクリプションの選択
ODSAで連携させるAzureのサブスクリプションを選択します。
OCI テナントの選択
選択したOCIテナントへログイン
連携リージョンの選択
ODSAのセットアップ中
ODSAのセットアップ作業に時間がかかるので、この画面のまま少々お待ちください。
ODSA管理画面
セットアップ作業が終わるとODSAのWeb管理画面に遷移します。
まとめ
必要な権限を持ったアカウントを用意できれば、ODSAを利用してAzureからOCIのサービスを使い始めるのは非常に簡単です。
Azureと連携を行うので、アカウント管理もAzure側で出来るので、複数のクラウドを利用する際に面倒なアカウント管理周りの手間も減らせます。
もし現在Azureを利用していてMySQL Heatwaveを利用したいと思っているのなら、ODSAを利用してみてはいかがでしょうか?