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スケールアウト型データベース ClustrixDB とは

本記事はMariaDB Corporationより寄稿された記事となります

はじめに

2018年9月20日に MariaDB Corporation は分散スケールアウトデータベースClustrixDB の開発・販売元である Clustrix 社を買収いたしました。

MariaDB Acquires Clustrix Adding Distributed Database Technology
MariaDB acquires Clustrix – TechCrunch

本記事では ClustrixDB の概要に関してご説明したいと思います。

ClustrixDB 概要

ClustrixDB は 以下の特長を持つ RDBMS です。

  • MySQL互換
  • ACID準拠
  • OLTP(OnLine Transaction Processing)に特化
  • HA / フォールトトレラント
  • 容易なスケールアップ/ダウン

名前が示すとおり,クラスタ構成で利用するのが基本で,最小構成は 3ノードとなります。なお,MariaDB TX Cluster(Galera Cluster)のようにノード数が奇数である必要はありません。
既存 MariaDB 製品とは異なり,現状オープンソースではなく,利用にはハードウェア固有情報に基づくライセンスキーが必要となります。
MySQL と互換性がありますので,MariaDB Connector / MySQL Connector を介して既存アプリケーションを最低限の変更で利用可能です。

自動データ分散

ClustrixDB では,データは slice と呼ばれる単位に分割されます。可能な限り各ノードにおける負荷が均一となるよう自動で slice の分配が行われ,最低でも2ノードに各 slice のコピーを保持するようになっており,高可用性(HA)を担保しています。
ノード追加作業は mysql(MariaDB monitor)上で以下のようにSQL文一つで行うことが可能です。

なお,ノードを追加した場合にDBAがデータ再分散を手動で行う必要はなく,自動でデータ再分散が行われます。

並列クエリ処理

クエリはクラスタ内のどのノードに対しても実行可能で,全ノードでクエリが分散並列処理されます。また,ノード数を増やすことにより簡単にスケールアウトすることが可能です。
通常は特定ノードへの負荷集中を避けるため,ClustrixDBクラスタの前段にロードバランサーを配置します。

ユースケース

ClustrixDB は既存のお客様において,以下のような分野で用いられています。

  • アドテック
  • ソーシャルメディア
  • プライベートクラウド
  • SaaS (Software as a Service)
  • eコマース
  • ゲーム

ClustrixDB ドキュメント

最新版の ClustrixDB 9.1 のドキュメント(英語版)が以下のサイトで公開されています。

ClustrixDB 9.1 Documentation

ClustrixDB 概要 動画

YouTube 上で ClustrixDB の動作の説明動画が公開されています。
音声は英語ですが,Closed Caption(CC)で日本語字幕がつけられています。

ClustrixDB概要

まとめ

今回は2018年に買収を行った ClustrixDB の概要に関して説明させて頂きました。詳細説明,デモをご希望の方,試用(PoC)を行いたい方はこちらまでお問い合わせ頂けますと幸いです。


執筆者情報

後藤 智(GOTO Satoru)
2017年6月よりMariaDB Corporation AbにてAPAC(Asia Pacific)地域におけるプリセールス業務を主に担当。現在は主に日本を担当。
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