HeatWavejp Meetup #15 イベントレポート

目次

HeatWavejp Meetup #15
Oracle AI World ダイジェスト&「自然言語→SQL(NL2SQL)」を早速試してみた

MySQL HeatWaveの“いま”を総点検!

第15回となる「HeatWavejp Meetup」がオンラインで開催されました。
今回のテーマは「MySQL HeatWaveの最新情報」と「Oracle AI World 2025のダイジェスト」、そして注目の新機能「自然言語からSQL生成(NL2SQL)」の検証レポートです。

AIとデータベースが一気に近づいてきた今、HeatWaveがどんな進化を遂げているのかをみんなでアップデートする回になりました。

オープニング&HeatWave 概要紹介

登壇者:内藤 達也 氏(株式会社スマートスタイル)

いつもの通り、司会の内藤さん(HeatWavejp運営)からスタート。
今回のMeetupは初のオンライン単独開催ということで、少し緊張気味の雰囲気もありつつ、チャットやリアクションボタンでの参加を呼びかけると、緊張をほぐすかのように多数のリアクションが表示されました。

冒頭のトピックは、「サービス名が再びMySQL HeatWaveに戻った」という話題。
昨年「HeatWave」単体になっていた名称が、今年8月に”ひっそりと”元の形へ。
「来年は”MySQL AI HeatWave”になるかも?」というジョークも飛び出しました。

登壇者:山﨑 由章 氏(HeatWavejp)

続けてはもはや定番となったHeatwavejp山﨑さんからのMySQL HeatWaveの全体像紹介です。HeatWavejp Meetupが「初参加でもMySQL HeatWaveを理解できる」コミュニティになっているのは、このセッションがあるからと言っても過言ではありません。

MySQL HeatWaveの主なポイントはこんな感じです。

  • MySQL”100%”互換のマネージドDB
  • OLTPとOLAPを同時にこなせる
  • 機械学習・データレイク・生成AIも統合
  • 「HeatWave Autopilot」で運用自動化を支援
  • AWS(東京リージョン)でもHeatWave利用できる!

まさにオールインワンといった、マルチクラウド時代のデータベースを感じさせる内容でした!

MySQL HeatWave 最新アップデート情報

登壇者:藤本 正比古 氏(スマートスタイル)

このセッションでは、2025年に入ってからのHeatWaveアップデートを一気に振り返り。
OCI版・AWS版の両方で、それぞれ24件もの改善や機能追加があったことについて紹介してくれました。

盛り沢山すぎてここにはすべてを書ききれませんが… 前回イベントからの注目アップデートをピックアップしてみます。

  • MySQL Innovation Release 9.4〜9.5 リリース
    • MySQL本体としての機能強化が盛り込まれている
    • 「NL2ML」「NL2SQL」など生成AI関連の新機能
    • マテリアライズドビューがついにMySQL系にも登場!
    • デルタレイク対応でレイクハウス連携が強化
  • バックアップ検証機能の追加
    • リストア前に整合性をチェックできるように
  • アップグレードポリシーの調整が可能に
    • EOLによる自動アップデートの制御が柔軟に

AWS版では「HA構成対応」「CloudWatch統合」「プライベートリンク接続」など、運用面の進化も多く報告されました。
藤本さんいわく、「自動アップグレード制御は計画的にアップグレードを行うのに有益」とのこと。これは覚えておきたいですね。

Oracle AI World ダイジェスト

登壇者:梶山 隆輔 氏(日本オラクル)

ラスベガスで開催された「Oracle AI World 2025」のMySQL HeatWave関連トピックを、梶山さんが駆け足で紹介してくれました。

基調講演に登壇したTikTokは、OCI上で超大規模なインフラを運用中。1億7000万を超えるユーザー、毎日2000万本の動画アップロード、そしてストレージはゼタバイト規模!「これらに対応できるプラットフォームとしてOracle頑張っています」とのコメントも。

MySQL HeatWaveの新機能発表については、待望の「MySQL HeatWave Migration Assistant」(プレビュー版)の発表が大きな目玉でした。なんとMySQL 5.6から最新版まで対応という幅広さ!「5.7だけかと思ったら、さらに前の5.6からってのは意外」というコメントも飛び出しました。

RDS for MySQLやAurora MySQLからの移行も視野に入れているとのこと。MySQL Shellの拡張版として提供され、レプリケーションのセットアップも自動でやってくれる便利ツールです。ただし現時点ではプレビュー版で、正式リリースは「近いうち」。梶山さんいわく「年内は厳しいんじゃないかな…年内に出たらびっくりしよう」とのこと(笑)

その他のトピックでは、ついにMySQL HeatWaveにマテリアライズドビューが実装!DeltaLake対応でレイクハウス連携が強化されたといったことが語られました。ちなみにOracle Databaseの方はApache Icebergをサポートすると発表していて、HeatWaveはDeltaLakeという住み分けになっているようです(いずれIcebergも対応するだろうとのこと)。

ソフトウェア版の新機能「MySQL AI」とGUIツール「MySQL Studio」も発表されました。インデータベースLLM、ベクトルストア、AutoML、NL2SQLなど、AI機能を統合したオールインワンパッケージです。特徴的なのは、CPUで動作するように最適化されていること。オンプレミス環境で外部通信なしでも使えるので、工場の中のシステムなど隔離されたネットワークでも利用可能です。ちなみにMySQL Workbenchは「実質もう更新しません」という状態で、今後はMySQL Studioに移行していく流れのようです。

最後は今後のイベント案内で締めくくり。11月6日のHeatWave Meetup in Tokyo、11月26日のOracle CodeNightなど、盛りだくさんの予定が発表されました!

自然言語からSQL生成(NL2SQL)機能検証レポート

登壇者:神田 智大 氏(株式会社スマートスタイル)

ラストは、待望のNL2SQLの検証レポート。
自然言語で質問するとSQLを自動生成して実行する、まさに”話しかけるデータベース”を実際に試してくれました。

その結果、「似た名前のテーブルがあると混乱」「コメントを丁寧につけると精度アップ」など、AIらしい”学び方のクセ”が明らかに。

JOINを含むクエリも、カラムコメントを工夫することで出力精度が向上したという結果から、今後は人間ではなくAIのためにコメントを丁寧に書くことになりそうだ、という予感を感じさせました。

「明日の天気は?」と聞くとSQLを返してきたり、計算問題をSQLで答えてくれるなど、ユーモラスな使い方も紹介してくれました。

神田さんは「SQLのみならずデータベースの操作方法の裾野を広げる機能と感じました」とのことで、 HeatWaveが”専門家のツール”から”誰でも使える分析基盤”へと進化していく予感も感じられました。

    まとめ

    イベントの締めくくりでは、運営から次回イベントと今後の体制についての案内が行われました。

    まず紹介されたのは、11月6日開催予定の「HeatWave Meetup Tokyo」。ユーザー事例を中心とした大規模オフラインイベントで、すでに申し込みが多数とのこと。 チャットで案内されたURLからの事前登録が推奨されました。

    続いて、運営メンバーの山崎さんから退任の報告がありました。 これまで長くHeatWavejpを支えてきましたが、今回で運営を離れるとのこと。 今後は参加者としてコミュニティに関わっていく意向を示し、温かい拍手で送られました。

    最後に、12月9日開催予定の「年忘れ HeatWave 事例祭り」が発表! 久しぶりのハイブリッド開催となり、オフライン会場(東京・南青山)では忘年会も予定されています。 登壇企業などの詳細は後日発表されますが、早めの登録をよろしくお願いいたします!

    以上、HeatWavejp Meetup #15 イベントレポートでした!

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