WindowsサーバのタスクスケジューラでFSSマウントを自動化してみた

WindowsサーバのタスクスケジューラでFSSマウントを自動化してみた

目次

はじめに

Oracle Cloud Infrastructure (OCI)のファイル・ストレージ・サービス (FSS) は、複数のサーバで共有可能な高パフォーマンスなファイルストレージを提供します
WindowsサーバでFSSを利用していると、再起動するたびにアンマウントされてしまうという問題に悩まされたことはありませんでしょうか
毎回手動でマウント作業をやり直すのは手間ですし、忘れることで運用に支障をきたすこともあります
本記事では、OCI上のWindowsサーバでFSSをマウントし、タスクスケジューラを利用してマウントを自動化する具体的な手順を解説します

前提条件

  • OCI上でFSSが作成され、適切なエクスポートパスが設定されていること
  • Windows Server 2016以降のOSがインストールされていること
  • 管理者権限で操作を実行できること

事前準備

NFSクライアントのインストール

FSSをWindowsにマウントするには、NFSクライアントを有効にする必要があります
Windows Power Shellを管理者権限で起動し、以下のコマンドを実行してください

WindowsにおけるNFSプロトコルのサポートが有効化されます

NFSクライアントの設定

インストール後は、NFSクライアントのUID(User ID)とGID(Group ID)を適切に設定する必要があります。
Windows Power Shellを管理者権限で起動し、以下のコマンドを実行してください

この設定により、匿名ユーザーのアクセス権限がFSSのrootユーザーと一致するようになります

FSSのマウント

FSSをWindowsにマウントします
Windowsコマンドプロンプトを起動し、以下のコマンドを実行してください

  • 10.x.x.x :OCIのFSSサーバーのIPアドレスに置き換え
  • <FileSystemエクスポートパス> :OCI側で設定したエクスポートパスを指定
  • C: :マウント先のドライブ文字を指定

マウント後、エクスプローラーで指定したドライブが表示されていることを確認してください

タスクスケジューラを利用したマウントを自動化の設定手順

バッチファイルの作成

以下の内容を記述したバッチファイル(例:FSSmount.bat)を作成し、保存します:

  • <ドライブレター> :使用するドライブ文字(例:Z:)を指定
  • <マウント先IP> :FSSサーバのIPアドレスに置き換え
  • <エクスポートパス>: NFSサーバー上のエクスポートパスに置き換え
  • <保存先パス>: バッチファイルの保存先を指定
  • <ファイル名>: バッチファイル名を指定

このバッチファイルを安全なディレクトリ(例:C:\Scripts\FSSmount.bat)に保存してください

タスクスケジューラでの自動化

タスクスケジューラを利用して、システム起動時にこのバッチファイルを実行する設定を行います

  1. タスクスケジューラを起動し、「タスクの作成」をクリックします

  2. [一般]タブで以下を設定します

    • 「ユーザーがログオンしているかどうかにかかわらず実行する」を選択
    • 「最上位の特権で実行する」にチェックを入れる
    • [ユーザーまたはグループの変更]か実行ユーザーを SYSTEM に変更
  3. [トリガー]タブで「新規」をクリック、タスクの開始で「スタートアップ時」を選択します

  4. [操作]タブで、作成したバッチファイルを指定します

  5. [条件]タブで「AC電源に接続されている場合のみ開始」のチェックを外します
    ※サーバは常時AC電源に接続されている前提で運用されるため、このオプションを無効化しても問題ありません
     チェックを外すことで、バッテリー運用の条件が適用されることなくタスクが確実に実行されます

    以上を終え、Windowsを再起動します
    再度マウント作業を実行することなく、FSSがマウントされていれば設定は成功です

まとめ

本記事ではOCIでのWindowsサーバにおけるFSSのマウントとタスクスケジューラを利用した自動化手順を解説しました
これらの手順により再起動後も継続的にFSSを利用できる環境を構築できます

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