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MariaDB BSL(Business Source License)

本記事はMariaDB Corporation Abより寄稿された記事となります

はじめに

MariaDB Corporation, MariaDB Foundation で開発されている MariaDB 製品のほとんどは GPL v2.0 もしくは LGPL 2.1でライセンスされていますが,一部の MariaDB Corporation 製品は MariaDB Corporation によって提唱されている BSL(Business Source License) でライセンスされています。
英語のライセンス条項では理解しにくい箇所もありますので,今回の記事で解説を行いたいと思います。

BSLとは

BSLとは時限つきのGPLで,例えば MariaDB MaxScale 2.3 の場合,ライセンス条項は下記URLで確認いただけます。

https://github.com/mariadb-corporation/MaxScale/blob/2.3/LICENSE.TXT

Parameters 項に着目しますと,以下のように記載されています。

まとめますと,

  • MariaDB Server, MariaDB ColumnStore インスタンス数が3未満の場合はいかなる目的にも利用可能
  • MaxScale 2.3 のライセンスは 2022年1月1日に GPL v2 に移行

ここで,サーバ数(three servers)ではなく,インスタンス数(three server instances)で記載されているのは,コンテナとして運用する場合,1台のサーバ上で複数 mysqld プロセスを運用される場合もあるためです。

例えば以下のような最小構成は production 環境でも無料で利用可能で,MaxScale サブスクリプションを購入頂く必要はありません。

  • MaxScale 1インスタンス
  • MariaDB Server Master 1インスタンス
  • MariaDB Server Slave 1インスタンス

また,テスト環境においては特に制限はありません。

BSL 1.1でライセンスされているMariaDB製品

基本的に MaxScale, MariaDB ColumnStore Tools(Backup & Restore)は MariaDB Platform X3 サブスクリプションに含まれておりますので,サブスクリプションをご購入されていれば,MaxScale や ColumnStore Tools を別途追加購入頂く必要はありません。

まとめ

今回は BSL(Business Source License)について解説させて頂きました。production 環境で MaxScale 等を利用される場合にライセンス上ご不明な点がございましたら遠慮なくお問い合わせ頂ければと存じます。


執筆者情報

後藤 智(GOTO Satoru)
2017年6月よりMariaDB CorporationにてAPAC(Asia Pacific)地域におけるプリセールス業務を主に担当。現在は主に日本を担当。
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